◆ CONCEPT ◆

  アノ調律の仕事の中で、音の狂いを直す事もとても大事なことですが、それと同じくらい大切な仕事がほかにもたくさんあります。 その作業がおろそかにされ、ピアノが持っている性質や性格を殺してしまい、本来個々に持っている性格やすばらしいタッチ、音がでていない ケースが多々見受けられます。
  本当の意味での良いピアノは、ピアノの新しさ古さではなく、いかに"適切な手"が入り、本来のピアノの持ち味が 発揮されているかと言うことだと思います。 調律という作業は、律(音律)を調べると書きますが、様々な調整を通してピアノがここち良い音で奏でられるようにする事が本当に必要な事だと思っています。

  ある楽器のなかで、 ある程度までのメンテナンスを演奏者がするものですが、 ピアノは全てを調律師が受け持ちます。
これは、ピアノという 楽器が進化と共に複雑化し、演奏しながらする作業の範囲を 超えてしまったということでしょう。また、ピアノに対して 演奏者の要求が高くなり、より高度なメンテナンスを必要に なってきたのも大きな要因だと思います。
ピアノ技術者は、技術や感性を常に磨くことが、そうした演奏者の 要求を満足させることができる最低限必要な事だと思っています。 良いピアノを維持することもメンテナンスですが、 弾き手の想いとともに進化させるのも大切なメンテナンスです。
これからも、さまざまな弾き手の想いを実現していきたいと思います。